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(召し使いがカタリーナに近づき小声で、
「奥様、旦那様に
逆らってはいけません。
さもないといつになっても
行き着きませぬぞ」
と進言する)
「えっと、
お、お願いです行きましょう、
せっかくここまで来たのですもの……
月でも太陽でも、
貴方のお好きなように」
「あれは月だ」
「そう、月ですわ」
「違うな、お前は嘘つきだ。
あれは太陽だ」
「それでしたら、ええ、
確かにあれは太陽ですわーー
でも貴方が違うとおっしゃるなら、
太陽ではありません。
貴方がこうとお呼びになれば、
全てその通りになるのです……」
……そんな馬鹿な。
なんなの、
このペトルーキオに都合良すぎる
台詞運びは!?
(ペトルーキオ、満足げにニヤリと笑む)
「……それでいい」
(ばさりとマントを翻し再び馬に跨がる)
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