ウッカリ調教されちゃった暁には……

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(ペトルーキオに促され、 カタリーナが話し始める) 「まあご婦人のみなさま、 怖い顔はおよしになったら。 夫は自分の主人、命、 守護神であり君主ですわ」 な、なんて極端な表現なの。 読みながらも驚いて、 こちらが目を見開いてしまいます。 「そうでしょう、貴女のためを思い、 貴女を楽にさせたい一心で 身を粉にして働いている、 海でも陸でも。 おかげで貴女は家の中で安心して 微睡んでいられるのです」 な、なるほど……。 父母の事を思えば一理はあるけれど。 「なのに夫はなにも見返りを求めない。 愛情と、優しい顔と素直な心、 ただそれだけ。 [中略] その従順の果てにもし 旦那様が望むなら、 私は踏みつけられても……かまわない」 えっ……と、いま私なんて? 踏みつけられてもかまわない? そう……そうね。 確かにもう私……小太郎くんになら……。 「よくぞ言った、それでこそ我が妻。 それではいよいよ最初の夜だ。 は、みな一緒に結婚したが 賭けに勝ったは私ひとり。 君たちは泣き寝入りというわけだな、 ハッハハ!では失礼、おやすみ」 (カタリーナを抱き抱えて去る) [ 完 ] そういわゆる お姫様抱っこというものを、 おとぎ話に聞いたことはあるけれど、 されるのなんて私 初めてで…… 当たり前だけれども。 演技が終わっても 胸の動悸は一向におさまらなくて、 まともに彼の顔なんて 見られませんでした。……
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