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「どこ情報なのよそれは」
「国・家・機・密☆」
ふたりが
手のひらと声を合わせる。
そう、
また職員室に潜入したのね。
くっ……
私も行きたかったですわっ!
「掃除当番さえなけりゃ行けたのに、ド畜生!」
ガンッと公営の土塀を蹴れば、
ヒッキョウ痛むのは
己のつま先だけであります。……
「初仕事は来月一日(イッピ)だそうですわっ。
見に行くねぇ見に行く由美子!?」
子爵家の三女まり子が
大きすぎるメガネの
黒ぶちを押さえて
早口でまくし立てます。
「当たり前ですわっ!」
対して私は男爵家の次女ですが、
父が趣味で
魚屋の経営をしているために、
行徳(現在の浦安)の雑魚を
これでもかと食べて育ちました。
おかげで気血と体力だけには
自信があります。
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