31人が本棚に入れています
本棚に追加
栗色のおろし髪は
ややぽっちゃりの顔周りを
程よくごまかしてくれるので、
いつまでたっても
まり子のような流行りの短髪になれない。
というか するもんですか。
ややぽっちゃり……でもいいの。
『お前の唇
一番柔らかくて良かったかな』
そんな言葉を、過去に
好きな人から
もらってしまったのだから。……
「……ふ、ふふふ」
いけない、ひとりでに思いだし笑いが。
我ながら気持ち悪いですわ。……
「なに、なによもう
小太郎様のこと考えてるなら
私にも話しなさいよ!」
まり子がぎゅっと握った拳を
胸に当ててやきもきするけれど、
さすがにこればっかりは
言えませんわっっ。
最初のコメントを投稿しよう!