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友人と別れて、改札に入る。
中央線で一本。
新宿に出やすい駅に住んでいるのは便利だ。
電車の中でフェイスブックを開く。
友人たちの投稿を見て、ため息が出そうになる。
[今日は、かなこたちと表参道で女子会☆みんな変わらないなぁ]
[旦那と砂浜デートなう]
[ひろ君が初めて歩きました!さすが、わが子]
数々のリア充どもの写真たち。
皆さん、人生を謳歌してらっしゃる。
西荻窪に着いて、彼に遭遇した。
「俺も職場の人と飲んできちゃったよ。ぴったりだったね」
帰るときは連絡を入れるから、少し待っていてくれたようだ。
こういうところは、付き合い始めのころから変わらず優しい。
「帰ろ」
今日は、飲み屋街の道に向かう。
「今朝ここを通って、靴が汚れちゃった。この前一緒に選んでくれたやつ。」
「靴は汚れるものだからね。ダメになったらまた新しいの買えばいいよ。
あ、パイナップルラーメン気になるよね。今度食べに来よう。」
彼が言っているお店は、そのままラーメンにパイナップルが入っているらしい。
味は人によるとか聞いたけど、結構人が入っていくのを見かけるから人気はあるようだ。
酒と焼き鳥の焼けるニオイ。
注文を繰り返す店員さんの声が響く道を歩く。
店内がいっぱいで、狭い道に席がはみ出ており、更に狭い。
私はこういう店が嫌いじゃない。
どちらかといえば好きだ。
酔っぱらいの領域だから、今日の私もここの一員だろう。
このお店に最後に来たのはいつだろうか?
よく覚えてないけど、引っ越してすぐだった気がする。
あの頃は、この人との将来しか見えてなかったはずなのに。
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