第三章 洗濯物

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お気に入りの靴屋に寄ってみたけど、気にいるものは結局なかった。 ちょっと気になるけど、凄く気に入る訳ではないデザインの靴が物凄く高かったりすると、萎える。 なぜこんな色にした! とか 何でここにこんなキラキラ入ってるの! とか やっぱり一目惚れって大事だよね。 私達が新宿を後にして、中野に向かう頃には17時を回っていた。 散策はまた今度かな。 また今度ってあと何回あるのだろう。 「明日も飲みなのに結構飲んでますけど…」 「明日の飲みまで24時間もあるじゃん。平気」 この日、私達は中野に着いてすぐサンモール商店街近くで飲み始めていた。 ビールビールビール、そして、ワイン まだまだ全然足りない。 梅酒もハイボールも全然入るよ~ もっと、持ってこーい 酔っ払いって楽しいな。 何もかもこのまま忘れちゃえばいいんだよ。 でも、帰れば洗濯物達が私を待っている。 お酒で逃げられるほど、現実は甘くない。 呑むにしては、早い時間からスタートだったので、私達は早めに切り上げることにした。 お酒はまだまだ飲めるけど、さすがにもうお腹いっぱいだ。 中野の商店街は西荻窪より明るかった。 帰り道、手を繋ぎながら私達はそこを歩いていた。 実はここに彼と来たのは初めてだった。 初めて一緒に来る場所というのは、わくわくする。 彼と一緒だと友達とは違った風景が目に入る気がして、友達とは一緒に入らないようなお店に目がいったりする。 彼はいまだに特別なのだろう。
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