第三章 洗濯物

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私はスマホを見つめている。 画面に表示されているのは、LINEトークルーム。 私の親友だ。 彼女とは中学で仲良くなった。 同じクラスになって、意気投合。 学生の頃は一緒に色んなことをしたっけな。 彼女は今、地方で働いてるので、何かあってもすぐに会えるわけではない。 けど、何かあればすぐに連絡するほど仲が良い。 いつもならすぐに相談できるのに… 私は自分の家で一人ベッドに腰掛けて、悩んでいる。 夜の静寂の中。 この時間に落ち込むのは、疲れているからだろうか? 普段私が生活の中でやってしまっている事、誰にも言えない秘密を誰かに聞いて欲しい。 誰に? となれば、いつもなら真っ先に親友に話してるだろう。 でも、今回ばかりはとても話しにくかった。 話したから嫌われるという心配は特にないんだけどね。 やっぱり悪い事をしてるという後ろめたさ。 私は、嫌なことがあれば、人に話したり相談することが多い。 感情的になることが多く、話せばあっさり落ち着くことも多々あるからだ。 彼女もそんな私の性格を分かっていて、いつも話を聞いてくれてるんだと思う。 ほんとにありがたい存在で、感謝しきれない。 彼の浮気アプリ事件も返討ち後にすぐ報告していた。 自分のことのように怒り出して、「すぐ行く!」と言い出した時は、思わず泣いてしまったっけ。 そんな親友にさえ言えない話があるなんて、昔は想像もしなかった。
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