第三章 洗濯物

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私はどうしても彼が許せずにいる。 最初は浮気されたのが許せないと思ってたけど、どうもそうじゃなくて。 彼と別れることを決めてるのに、まだ一緒にいることに悶々として行動できない自分にイライラしているのと、悪そびれた様子もなく、いつも通り過ごす彼への苛立ち。 これらがどうしようもなく黒い感情を引き立てる。 私の普段の行動は、まるで何をしてもバレなきゃ悪くないんでしょ? って、やられたからやり返すみたいな感じになってしまっている。 彼は本当にいつも通りだと思ってるのかな? なんだか自分が凄く嫌な女に思える。 そんなことを悩んでいると、別の人からLINEがきた。 以前、飲み会で出会った徹夜の彼だ。 『お疲れ。急なんだけど、今週空いてる?』 誰かと話したい気分だったからか、そんなLINEにも少し気持ちが穏やかになる。 『空いてますよ』 『よかった!じゃあ、ご飯行こう!』 友達の言葉を思い出す。 次行こう。 次に行けるかどうかはともかく、彼のいない時間を過ごすことも大事だと思うから今回はお誘いに乗ることにしよう。 私はOKの返事をスタンプで返した。
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