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第四章 買い物
「今日は来てくれてありがとう」
「いえいえ、こちらこそお誘いありがとう」
私は立川のみどりの窓口前にいた。
この前の彼との約束で、今日は2人でご飯なので、ここで待ち合わせた。
「お店の予約より少し早いんだけど、何か見たいものある?
早めにお店に行ってもいいけど。」
彼言いながらもう歩き始めてるんだけど、マイペースなのね。
そういえば、靴が欲しかったんだった。
二人で会うのは初めてだけど、気まずい時間を過ごすよりはマシかもしれない。
「あ、靴見てもいいですか?
実はこの前の靴が、汚れ落ちなかったんで新しいの欲しかったんですよ」
「そうだったの?じゃあ、見に行こうか。」
「なんだかこの前と雰囲気違いますね。」
この前は死んだ魚のような目をした彼が一転して、今日は目がキラキラしていた。
下心を持った男のようなギラギラした感じではなく、子供のような無邪気な感じ。
もしかしたら外食が好きなのかもしれないな。
それとも私と会うのが嬉しかったのかな?
・・・自惚れすぎか。
駅は2階でルミネと繋がっている。
グランデュオでもよかったけど、こっちの方が馴染みがあるのでちょうどよかった。
「そうかな?この前はどんな印象だったの?」
「死んだ魚」
私は正直に感想を伝えた。彼は笑いながら私の後ろに回り、私たちは上りのエスカレーターに乗った。
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