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~宰相Side~
メイド長から渡されて私に抱かれているというのに、腕の中にいる魔王様はぐっすり眠っていらっしゃる。
メイド長とは違って私は赤ん坊の抱き方など下手なのにな…
暫くしてメイド長が赤ん坊を抱いたメイドを一人連れてきた。
「宰相様、こちらのメイドが乳母を引き受けてくれる事になりました」
「…セレンと申します。よろしくお願いします」
赤ん坊を連れて来ているという事は自身の子供だろう。それはいいのだが、このセレンというメイド、顔色が悪いが大丈夫なのだろうか?
「メイド長の人選に異論はないが…」
【宰相様、このセレンはちょっと働き過ぎで倒れそうですが、体を壊して辞めてしまわないよう乳母の任に就かせる事にした者です】
私の言葉や表情から察したのだろう、メイド長から念話が入る。それに習って私も念話で返した。
【メイド長がそう言うのならかなり優秀なメイドなのだろう?】
【まだまだ優秀とは言えませんが将来性は有るでしょう。……ですが、自称魔王候補を名乗る者達によるセクハラで多くの若いメイド達が辞めてしまいメイドの仕事がかなり激務になってますから倒れられる前に保護したいんですよ】
【あやつらめ…】
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