はじめてのおしごと

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メイド長に連れられて来た部屋には宰相がいた。 どうやら宰相の部屋に連れてこられたようだ。 「魔王様が目を覚まされたか」 「はい、あの子の前でするような話ではないと思いましてこちらにお連れしました」 【それにしても酷い有様だな。まるで我の執務室のようだ】 メイド長の腕の中から部屋の中を見回して言う。 書類の山がいくつも建っているという、見ていて精神的に心地いいものではなかった。 懐かしすぎて神への殺意が湧いてくるようだった。 【宰相よ、話とは一体何だ?】 「何からお伝えすればよいか…」 【魔王としての書類仕事なら少ない時間なら出来ると思うぞ。最初の内は慣れないと思うからかなり少ないとは思うが】 「それは僥倖(ぎょうこう)というものです。魔王様のお体が赤子故、魔王様の書類仕事は私がやるものだと思っておりましたので」 【他には何があるのだ?】 「…実は何処から嗅ぎ付けたのか魔王様が誕生したという話が流れてまして、魔王様に会わせろと煩い輩が出てきたのです」
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