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 そう一人ごちた彼の脳裏に、時折家の前に現れる男の姿が浮かび上がる。  悪魔を名乗るこの曲を書いた者と、あの人影とが…エンリの中で時計の歯車のようにかちりと嵌め合わされた。    あの男はきっとまた僕の部屋の窓の下に立つだろう。  今度は絶対に逃さない。確かめてやらねば。  奴が本当にこの曲を書いたのか?…本物の悪魔なのか?
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