3/49
前へ
/232ページ
次へ
 あの楽譜が届いた二日後の夜も、エンリはこっそり顔なじみの酒場へ向かった。  場末の店の片隅にあるぼろぼろのピアノは調律もされておらず音も外れ気味だが構う必要もない。ここへ来る客たちは誰もピアノの音に聞き入ったりしないのだから。
/232ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加