第三拾七話 濁り

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巌さんのとこへ帰るまでの間、色んなことを考えていた。まとまりのないことだらけで何を考えていたのかすら覚えていない。 意識はハッキリしているはずだけどフワフワと変な感覚… そんな状態で巌さんの所へ着くと何かホッとした。 巌さんがいる部屋へと行くとそこには佳代さんもいた。 佳代さん『おかえり~』 俺『………』 佳代さん『返事ぐらいしな?』 まるで子供を叱るような…笑 俺は首元を見せ、声が出ないとジェスチャーした。 佳代さんは驚き 佳代さん『え…?なんで?病院?えっ?』 とテンパり病院に連れて行かなきゃと焦っていた。 巌さんは目を見開き、普段聞かない低い声で 『祐…ちょっとお前ここに座れ…』 と言った。 俺は言われた通り巌さんの隣に腰をおろした。 巌さん『俺の目を見ろ…』 巌さんの目を見ると何故か体が震え出した。 巌さん『すまん…』 何故か謝る巌さん… 巌さん『佳代!ちょっと祐を見ててくれ。電話してくる…』 そう言って立ち上がり部屋から出て行った。
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