6197人が本棚に入れています
本棚に追加
/199ページ
部屋から少し離れた所から聞こえてくる巌さんの声…
『今空いてる?』
『一人頼みたいんだが…』
『いや…ばあさんがいいんだが…』
何の話をしているのか想像がつかない。
『俺のところの一人が落ちかけてる…』
落ちかけてる?
なんの話?
誰?俺?
一気に不安になるような言葉…
『なら3人そっちにお願いします…』
電話が終わると巌さんが部屋に戻ってきて
『佳代!明後日からあそこの山の温泉に行け!祐と信太郎も連れて!祐は病院行って会社を休め!』
ひとつも状況が把握出来ないでいた。
ばあさん、山、温泉、落ちた…
そんな俺を他所に佳代さんは喜んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!