復讐と、彼女の祈り

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「要人を段下に集めよ。武官は半円陣を形成、宮廷騎士団は中央に!」  ――大がかりな真似をしおって!  シャルロットが落ち着いた指示を出す。秩序を失っていた者たちが耳に入る声を何とか拾い、場所を移動する。 「させるな! 衛士、妨害を」  逃げようとする者を無理矢理に引き止め、ねじ伏せ、叩きのめす。中には日常で受けた恨みを、この時とばかりにはらすものすら居た。 「こうも入り乱れていては魔法も使えん」  ――どうする、巻き込んでもこれを鎮めるべきか……。  いつの間にか母子を連れたフラが王女のすぐ傍にやってきていた。左手には銀のナイフを持っている。 「いい機会が出来たじゃない」 「多くを道連れにするにはこうするしかなかったのだ」 「なぁに、後悔してるの?」  意外そうな顔でフラが聞く。シャルロットはわずかな間を置いた後に「これを為せねばそうなるであろうな」そんな予定は無い、ハッキリと言い切った。 「その手を汚してあなたは復讐を行う。それで良いのよね?」  この重要な場面で再確認を行う。もし方針を変更するならそれでもいいと思いながら。
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