復讐と、彼女の祈り

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「妾の意志は変わらぬ。この手で復讐を遂げる!」  ――そうだ、犠牲は付き物、悪いが巻き込まれてもうらうとしよう。  ポケットに入れていた四葉のクローバーに軽く口づけして床に放る。 「クローバー――シロツメクサの花言葉は復讐。あたし達にぴったりでしょう?」  そういう意味だったのかとシャルロットが自嘲気味に笑う。フラがずっと本気だったことも今になり理解した。 「歩兵を全滅させる、済まぬが皆も諦めよ!」  シャルロットが魔力たっぷりの範囲魔法を構成し始める。そんな詠唱を組み上げられては場に居る殆どが死傷してしまう。 「防御魔法を準備しろ!」 「重装歩兵、防御態勢をとれ!」  それぞれが上級詠唱魔法に備える。段上では近衛が王女と国王の間に割り込み身を挺して守る。 「吹き荒べ轟雷、トニトルス・テンペスタ!」  室内だと言うのに暴風が巻き起こり、それに乗り雷鳴が響いた。露で塗れた鋼鉄の装備が電撃をより強力にさせる。  防御魔法を展開出来た一部の者だけが無事、多くが感電し恐らくは即死しただろう。
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