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「っく」
――アンデットは想定外だ。妾の魔法では勝てぬ。神聖魔法は使えぬぞ!
聖教の礼典だったので高位のプリーストは存在している。負傷者の手当てに忙しく、何より今はシャルロットの要請に応じてアンデットに対抗などしてくれないだろう。
重歩兵が騎士や生き残りに攻撃を仕掛ける。動きは鈍いが体がどうなろうと関係ないので力は半端ではない。
目の前で有力騎士らが死んでいく。剣で突こうが切ろうが効果が無いのだ。
「もう一つの返事、聞いてなかったわね」
「もう一つ?」
――この大事になんだというのだ。
敵からも味方からも厳しい視線を一身に受けている。フラが言っていたように後戻りは出来ない、目的を遂げても身の破滅がやってくるのは同じ。
「あなたがどうしたいかは解ってるわ。あたしにどうして欲しい?」
再度言われて思い出す。どうしたいのかは復讐、どうして欲しいとの問いには答えていなかった。
「妾は……」
――自身の力だけでは不足だ。レヴィン伯爵もガルド子爵も考えていた以上に働いてくれている。
「力が欲しい。もっと、もっとだ! そのためならば何でもくれてやる! だから!」
更に与えて欲しいと助力を望んだ。
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