復讐と、彼女の祈り

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「塊が奴等を飲み込むのを想像するのよ」  意識の誘導を行う。だがやすやすと怪しげなことさせてはくれない。 「マジックアイテムだ!」  軍務大臣の命令で歩兵が腰に括りつけていた棒状のものを軽く放る。 「ウォール・オヴ・エア」  フラが効果を予測し、部屋を仕切るように目には見えない壁を作り出す。  似たようなアイテムを前に見たことがあったからだ。  直後に棒状のものが爆発し、熱とつぶてを撒き散らした。  魔法が効かず重装甲の歩兵は無傷、適切な行為だというのは認められる。 「小癪な。対魔法戦術だ!」  数人ずつのグループで固まり、形状が違う道具を手にする。  同時に複数のマジックアイテムでする攻撃は防ぐことが出来ない。味方を巻き込むことを気にしないならば、戦術の幅は限りなく広い。 「まずい、防壁を!」  ――二人でも全ては無理だ! 「シャルロットは精霊に集中して。あたしが防ぐわ」  ぴしりと行動を制して「スキャン・オブジェクト」短く手口の解析を済ませる。 「やれ!」  七つの班が呼吸を揃えて投てきした。訓練度は高い。 「グラヴィティ=ヴァキューム=フラッシュデクライン」  一瞬だけ暗闇に近くなった感じがした。あたりは熱気や損壊が激しいのに、何事もなかったかのように静かだった。 「ど、どうなっておるのだ!」  それはこの場の皆が同じ感想だろう。フラはうっすらと微笑むだけで語らない。
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