復讐と、彼女の祈り

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「約束するよ。本当なら姉上と逆を考えていたけどね」  大臣らを引き連れて共に沈む。そうしたいと王子が望んだ為、人質を監視していたド=ダグラス侯爵も帰国を認めた。 「だがもう妾は戻ることは出来ぬ。トリュッケン、事後を任せた」 「はい、姉上」  生まれ育った場所は違えど、サルディニアを想う気持ちは同じ。 「あたしの名はフラウよ、これからはサルディニアをずっと見守っているわ。それと、レヴィンとガルドを覚えていてくれてありがとう」 「それはどういう意味でしょう?」  レヴィン伯爵とガルド子爵、誰のことかは解っているが、覚えていてという意味にそぐわない。 「レヴィンは黒色槍騎兵団の先輩で、ガルドはあたしの弟よ。皆が忘れてしまう中、語り継いで貰えてきっと彼等も喜んでいるわ」  ブラックランサーズコープスの先輩。サルディニア王国が建国されて千年以上。建国者の国王の左右には、二人の騎士が付き従っていた。  黒騎士レヴィン伯爵と、騎士ガルド子爵。彼等の名を残すために名跡が引き継がれている。  何とも不思議な余韻を残し、王女とフラウは姿を消した。  あたしの理由。シャルロットが抱えていた謎が解けた時、二人はサルディアから遠くに在るのだった。
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