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◆・第二章・◆
ある年の秋も終わり……
あいつのおっ父が 家ん中で倒れ
呆気なく逝っちまった
嘆き悲しむ家族を知らず
あいつは悪いヤツらと町へ出て
よくない遊びに明け暮れる
賭場さ通って 女遊びして
気楽に暮らしてるって話だ
嘆き悲しむ家族を知る
親切ぶった村の衆は
親切面で家族を前にし
親切ぶって教えてくれた
オラは塩を投げつけ
村の衆を追い返す
小さくなって泣き叫ぶ
あいつのおっ母の背中を
擦ってやることしかできなかった
まだまだ幼いあいつの妹たちは
不安にかられ オラにしがみつき
兄ちゃんは もう 帰ってこねえだか?
真っ黒な目を潤ませ
オラの袖を引っ張り訊ねる
いんや そのうち ちゃぁんと
帰ってくるだ
みんな良い子で 待ってるだよ
それを聞き 妹たちは喜んだが
あいつのおっ母は 声をあげて泣いた
オラはまた
自分にも言い聞かせるように
帰ってくるだよ……と繰り返した
外では冷たい雨が
雪に変わっていた
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