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わたしは奴の腕に体重を預け、唸った。一理ないこともない。考える時間があるのが嫌で、ここのところ何でもなんでも詰め込もうとし過ぎてる気はする。竹田はわたしを押し倒して一緒にベッドに倒れこみ、耳許で優しく囁いた。
「…もっと、身体の力抜いて…」
エッチな意味か。まあいいや。わたしは求められるままに身体を開いて奴の手に自分を預けた。一瞬だけ頭の端を立山くんが掠めた。でも、すぐに気持ちを切り替えて追い払う。もう彼に対して疚しく感じる必要なんかないんだ。わたしはあの人にとって既に何でもなくなった。この身体はもう完全に竹田だけのもの、瀬戸さんにも立山くんにも関係ないんだ。好きなだけ思うようにしてもらっていい。
でも、もともとこいつとする時に立山くんを思い浮かべたり疚しく思ったりしたことなんか実際は全然なかった。むしろ関係なくなってから初めて彼とこれを結びつけて考える羽目になるとはね。
わたしは目を閉じ、竹田の指と唇がくれる快感に素直に溺れた。本当になんて気持ちがいいんだろう。これってすごく心を慰めてくれる。喘ぎ、目を開いて欲情に駆られた竹田の顔を見上げる。目が合うと渇いたような表情で顔を寄せてきて何度も角度を変えて唇を押しつけてくる。わたしは手を伸ばして奴の服をもどかしく脱がせた。全部脱いでもらって早くその肌を全身に感じたい。何もかも忘れさせて。
「…あっ、ちゆ…」
わたしがいつもより積極的なのを感じたのか、奴は切なく身体を震わせた。
「そんなにしたら。…俺、先にいっちゃうよ」
「駄目」
わたしは既に受け入れ体勢の整った場所を大きく開いて、彼を中へと導いた。
「一緒じゃなきゃ嫌。…わたしを一人にしないで、嘉文…あっ」
びくんと全身を震わせてのけぞる。彼がわたしにきつくしがみついて無茶苦茶にキスした。甘いため息がその喉から漏れる。
「あぁっ、ちゆ。…好きだ。こんなに…、蕩けてる。ここ…」
その後は言葉もなく夢中で身体を動かし続ける。わたしはびくびくと敏感に反応し、わなないた。こんな風に、忘れさせてくれたら。
…世界はまた、わたしとこいつだけ…。
「ああ…、嘉文。…すごく、いいの…」
「俺も、ちゆ。…最高…」
音がするほど夢中でお互いを絡ませ合う。…ああ。
「あっ、いくぅ、もう…、ああ…、嘉文っ!」
「ああ…、あっ、無理、ちゆ!」
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