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三分程、家から離れた場所には大きな湖がある。それはもうとても大きな湖で巨人が湯船として
使っても余裕がありそうな湖だ。
そんな湖が朝起きたら空になっていた。あの量だ、一夜にしてなくなるなんて到底考えられない。神様が大きな掃除機で湖の水を吸い込んでしまったのだろうか。
穴の縁から顔をのぞかせてみると、穴の中ではコォォォォと強い風邪が吹いており、穴の底の
様子はどんなに目をこらしても見えない。この穴は一体どこまで続いているのだろうか。僕は穴が
どこまで続いているのかとてもとても気になり、手始めにその辺に転がっている石ころを投げ
入れてみた。石ころはヒュゥゥンという音をたてながら穴の底めがけどこまでも落ちていく。
しかし待てども石ころが穴の底にたどり着いたような音は聞こえてこない。
今度はもっと大きな石を手に取り先ほどと同じように投げ入れてみたが、やはり穴の底に
たどり着いた音は聞こえてこない。
目前に広がる穴は一体どこまで続いているのだろうか。僕は気になって気になって仕方がなく、
前のめりになるほど穴の中をのぞき込んでいた。ふと背面から強烈な風が叩きつけられ僕の背中を
押してきた。僕はバランス
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