プロローグ

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確か、あれは五歳の初夏の頃だった。 いつものように、幼稚園からの帰り道に手を繋いで。いつものように、ちえみと柊(しゅう)はちえみの母親に連れられて、ちえみの家へと向かった。 ちえみの母は、マンションの大家をやっている。そして、そのマンションに越してきた柊の両親が仕事で忙しい為、代わりに送り迎えをしたり、帰って来るまで今日のように柊を家で預かる。 そう、これもまたいつものことだった――いつものこと、だったのだけれど。
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