嘘でしょ!?新人君!

10/13
前へ
/13ページ
次へ
「ねぇ、待って?いいの?店長…」 三階まで駆け上がり通路も走って、社食の前に着くとそこでようやく彼が足を止めた。 「大丈夫?」 「ハァ…ハァ…っ、…うん」 上がった呼吸を整えようと、胸を押さえた私を心配そうに覗き込む。 「…あれ?」 顔を上げて向井くんを見ると、窓から差し込む夕陽で丁度逆光になっていて、彼の顔がよく見えない。 何だろう、この感覚… 前にもあったような、なかったような? 夢?いつも私が見る… ううん違う、前にもあった、この感じ。 「思い出してくれた?」 「…え?」 「“新人さん”?」 「…は?…え?!」 “新人さん” その言葉で、パッと記憶が蘇る。 そうだ、思い出した。 あれは確か、私がまだこのカフェに入ったばかりの頃───… .
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加