第一章 坂の途中カフェの超絶美形王子

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心臓ばくばく、 そのうち口から飛び出してくるんじゃないかな。 全身に汗がじんわりと噴出している。 ワンピに自動消臭の柔軟剤仕込んでおいて大正解。 いざ出陣! 覚悟を決めて、 重い気の扉を開けた。 ギシッ、 嫌な音。 真昼なのに真っ暗な店内に踏み込むと、 数人の男客が一斉にあたしを見た。 ふっと口の端で笑うちょび髭、 やれやれという風に肩をすくめるガチムチ、 興味なさそうにスマホに目を落とす眼がね男。 あんたがたの期待してた目の覚めるような若イケメンでなくて、 悪うござんしたね。
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