ブルーラ種

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「いえ~い。はじめまして、新しいお友達だよん」 金髪ポニーテールの快活そうな女子高生が現れた。 「わ―。私ね、ずっと楽しみに待ってたんだぁ。どうぞよろしくね」 迎える黒髪の女子高生に自然と笑みが浮かぶ。 (おお、ようやく笑ったか。しかし、ブルーラ種は手がかかると聞いていたが、ここまでとは) ブルーラ種、青く美しい星に住まう種族は、飼育難易度が極めて高かった。生体の癖も強く、餌も個体によっては毒となりうるし、ストレス値が高いと自害されてしまう。特に複数飼いは、困難を極めた。 (今度はうまくいきそうだ) 瞬間。 「私だけの物にならないなら殺してやるからぁ」 箱庭に狂気が満たされ、第3の女子高生が出会ったばかりの二人に襲いかかった。 二体のブルーラ種が無残に転がる。 (また、死んだのか…) 箱庭の主は暫しの瞑目の後、箱庭を消灯した。 主人のいなくなった箱庭から微かなざわめきが響いた。
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