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全く、多勢に無勢にも程がある。俺、喧嘩なんてした事ないのに。とゆうかこれじゃあ喧嘩にすらならん。リンチだ。
クソ野郎、くそ神様め。俺の運命をどんな風にしたってんだ。こんな運命はいらないぞ。
てゆうかそもそもあれは神様じゃあなかったんじゃないのかやっぱり。現実的に考えてそうだよなぁ。浮かれてこのザマだ。
「うりゃぁぁぁ!」
野郎連中の奇声が俺を襲いかかる。
俺は持っていた鞄で受け身を取るが教科書やノートと言った類は全て机の中、置き勉が仇となり鞄という盾は紙っぺらに等しかった。
「ぐあっ!」
蹴りにパンチに容赦がねぇ。
こいつら喧嘩慣れしてやがる。
俺は呆気なく地面に倒され、そのまま蹴られまくった。
段々と意識が薄らいで視界が、
§
目が覚めると見慣れた天井がそこにはあった。俺の部屋だ。
身体を起こす。痛みを覚悟したが別段、体中に痛みはなく、それどころか傷やあざも無い。パジャマを捲ると女子も羨む綺麗なお肌があっただけだ。
「どうなってんだ?」
たぶん、俺が今ここにいるのは日向たちにボコボコにされ気を失い、誰かが運んできてくれたのだろう。そして今に至る。
だが無傷なのはなぜだ?
まさか夢?
意味わからん。
とにかく俺はベッドを降りて制服に着替えた。昨日の経緯を知ろうと下にいるはずの母親の元へ。
話を聞いてみると、
「知らないわよ。母さん、昨日は夕方いなかったし」
「はぁ? いなかったらどうやって俺は家の中に入れたんだよ」
「知らないわよ。てゆうかあんた喧嘩したの? 気失うなんて。でもピンピンしてるけど」
「それは俺もよく分からないけどさ」
「そもそもあんた、誰に運ばれたのかも分からないって、怖いんだけど。他人を勝手に上げて、何か盗られてないでしょうね」
母さんは辺りを見渡し不信感を剥き出しにする。子より家の心配ですか。まぁ、怪我はしてないから心配されなかっただけなのかもしれないが。
ふーむ。結局、何もわからないぞ。
まぁ、学校に行ってみれば何か分かるか。
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