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「メグル君だー。おはよー」
俺がいつも利用するコンビニに通りかかると丁度、店から千代ちゃんが出てきた。
太陽みたいなスマイルで挨拶してきた。
「おはよう。偶然だなぁ。今日もコンビニでお昼買ってたの?」
「? んーと、そうだよ。てゆうかコンビニでお昼ご飯買うの今日が初めてだよ」
「え?」
俺はつい、聞き返してしまった。
「え、一昨日も買ってなかったっけ?」
「一昨日? 一昨日? いや、買ってないよ」
千代ちゃんは俺が言い間違えたと思ったのか、二回続けて口にするが俺が訂正を入れなかったのでそう付け加えた。
「? ? ?」
それにしたって何故か話が噛み合わない。
千代ちゃんの表情を察するに嘘を吐いてるようには見えないし、嘘を吐く事でもないし。
何だ? マジで訳わかんねーぞ。
「メグル君、どうしたの? 何か変だよ?」
「そ、そうっ? いやいやそんな事ないよ! いつも通り!」
空回りしてる感は否めないが頭のおかしい子と思われたくなかったので気合いで誤魔化した。
「そっか。ならいいんだけど。そうだ、一緒に学校行かない?」
何と千代ちゃんから誘ってくれるとは。
このついでに千代ちゃんに昨日の事を聞いておこう。
「あのさ、昨日なんだけどさ」
「うん」
「俺、喧嘩してたんだけど知ってるかな?」
「え! そうなのっ? それにしてはピンピンしてるけど」
驚きの声を上げる千代ちゃん。その声音に驚きはあっても不安さはないのは俺がこの通り無傷だから、喧嘩したと言われてもピンと来ていないのだろう。
「そっか、知らないかぁ。俺さ、気を失って気づいたら今朝自分のベッドにいたんだけど、誰がうちまで運んでくれたのかなぁって思ってさ」
「そうなんだ。気を失うほどやってたなんて。メグル君を見る限りじゃあそんな事があったようには見えないけど。でも誰とそんな喧嘩をしたの? メグル君ってそこまで恨みを持たれるほど嫌な人じゃないのに」
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