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「なるほど。つまり俺と俺の好きな女の子が結ばれる未来は保障してくれるわけね。で、そこに辿り着くのは俺の頑張り次第」
「うむ、そういう事だ。じゃあ今からお前の運命を変えてやるから、ちょっとジッとしておれ」
そう言うと神様は右手を前に突き出して目を閉じた。とくに何が起こった訳でもなく。
「よし、おしまい」
事が完了したようで神様は言って右手を下ろした。
「え? 終わり?」
「ふむ。何も変わりないように見えるがな。まぁ、後は頑張ることだな。健闘を祈ってるよ。じゃっ」
一仕事終えたみたいに神様は踵を返して帰る。
「えっ、ちょっと! マジで? 詐欺とかじゃないよねっ?」
戸惑う俺など意に介せず神様は歩くのをやめない。やがて背中が見えなくなる。
何だか釈然としないんだが。まぁ、騙されてるにしたっておにぎりと唐揚げだけしか損失はない訳だから別に良いんだけど。
突然、お腹が鳴って現実感が戻ってくる。
「もう一回、買い出し行くか」
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