願い事は叶うものではなく叶えるもの

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§ 「メグル君っ。昨日言ってた漫画だよっ」 「ありがとう」  千代ちゃんは家から持ってきたコミックを紙袋に入れて俺に手渡してくれた。  昨日の立ち読みの後、千代ちゃんと一緒に登校したのだが漫画で話題が膨らみ、俺たちは漫画の貸し合いをする事になった。    同じクラスなのだがこうして千代ちゃんが俺の席に赴いて漫画を貸してくれる日が来るとは。感慨深いものがある。 「じゃあ、俺も。はい」 「ありがとー。ふふ、メグル君の持ってきたの楽しみにしてたんだよ」 「そう言ってくれると嬉しいよ。期待に添えるか分からないけど」 「じゃあ読み終わったら感想言うねっ」  言って、千代ちゃんは席に戻っていった。少ないながらも幸せな時を過ごせたぜ。 まだ焦ることはない。恐らくあの神様は本物だ。運命は約束されている。後は俺の頑張り次第、急がば回れと言うしそこまで急にアピールしては上手くいくこともうまくいかない。  何よりもクラスの中ではあの男がいる。
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