独白

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私は、いじめの首謀者を問いただしました。しかしどこふく風、なにも反省の色が見られません。 数日の後、いじめられていた生徒はこの世を去りました。クラスは暗く重い雲にとじこめられたようでした。 私はそのクラスの嗚咽を信じることができませんでした。私にはもう理解ができなかったのです。クラスに彼を助ける人がいなかった以上、彼はクラスの邪魔者でしかなく、そうであるならば、クラスの生徒たちは喜んでしかるべきなのです。 そして私は私自身も信じることができなくなりました。 もっと強く叱っていたならば、それこそ暴力さえふるってでもいじめを止めていたならば、命を落とすことはなかったかもしれません。 教師とは特殊な仕事です。教鞭をとれば行動一つで数十人が変わります。 私という人間は、教師として振る舞いたいがあまり命を蔑ろにしてしまったのではないか。私は本来教師としてある前に人間として立ち向かうべきだったのではないか。そんなことばかりが頭を埋め尽くして身動きが取れなくなりました。 そろそろお時間なので、お暇させていただきます。 ではお先に失礼して。
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