一話

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1 今日もまた今日とて、日進月歩のごとく大山君は私に挨拶する。 「おはよう、本宮さん」 「おはよう」 「今日もすごく可愛いな」まーた始まった。 「度し難いよ、大山君」 「可愛いなー」えっ、スルー? 「それしか言えないの?」 「だって、可愛いから」 「馬鹿にしてるの?」 「ううん」 「馬鹿なの?」 「……馬鹿かもしれない」 深刻ぶった顔して答えられても、返答に窮する。 「じゃないでしょう……本当に度し難い」 度し難い日常なのに、これ以上なく度し難いのはどうしてだろう。 私が知る由もなく、いつもいつも大山君は絡んでいく。 ホント、なんでだ?
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