第一章しかないけど第一章

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 私は。  殺された。  友人に。  ……三分前。 たしか、その友人は、私が死ぬ間際に、言っていた。  「大丈夫、絶対捕まらないから。」 今、窓の外をみる。 外の景色が見える。 まだ、私の魂は、死んでいないらしい。 私は、思う。 もし、あの時、私が、友人を殺していたなら。 もし、私が殺されるより早く、あの子を殺せたなら。 もし、友人が、死んだなら。 私は死ななかったのだろうか。 私は、願う。 友人の死を。 私から、命を奪った、友人の悲惨な最期を。 ずっと待っている。 そのとたん、私は背中に痛みを覚える。背中をナイフで刺された時のような痛み。きりきりと痛む。 私は、後ろを向く。 「嘘…でしょ……。」 私が見えたものは。 死んだ友人の、すなわち、私と同じ「魂」になった友人の、殺意に満ちた、笑顔と。 凶器、だった。
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