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女の子に自分から声をかけるなんてしたことないけどちょっとだけ弱気な自分の殻を破ってみたくなった。きっと、今声をかけなかったら、いつまでもグタグダ悩む気がした。
『その本僕も読んだよ』
僕はそう言って彼女の隣に座った。ふと顔を上げた彼女は懸念していたような対応ではなかった。
『本当ですか?』
なんか嬉しそうなのは気のせいだろうか?
『この作者の本を選ぶ人あんまりいないからびっくり…』
ああ、確かに…
『少し話が暗いんだよね。けど奥が深い気がして僕はけっこう好きなんだ』
『私もです!』
彼女の声は弾むようだった。なんか嬉しいな。
読書はけっこうしてる方だと思うけど、こんな風に自分の思った通りの感想を言って受け入れられるとは思わなかった。僕の言葉に食いついてくるような彼女との会話は加速していた。
『良かったらお茶でも飲みながらゆっくり話しない?』
『え?』
一瞬彼女の言葉が止まる
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