序章

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しまった。急ぎすぎたかな。 『いいんですか?』 『僕が誘ってるんだからいい?って聞くのは僕の方でしょ』 目まぐるしく変わる世界の中で、今同じように感じる彼女との出会いを大切にしたかった。迷ってる暇なんかない。人生は一期一会だ。臆病な自分に気後れしてる場合じゃない。自分で限界を決めちゃだめだ。 『行く?』 にっこりと笑って問いかけると彼女は微笑みを浮かべて立ち上がった。 『僕はリョウタ』 『リョウタさん』 『じゃ、行こうか』 言いながら差し伸べた手に彼女はそっと手を重ねてくれた。頬を赤くさせながら照れたような笑みを浮かべる彼女に僕もドキドキしていた。 その笑顔をずっと見続けたい。そんな欲が膨らんでいく。こんな時代に出会えた彼女とこの先も一緒にいられたら…なんて、僕はどれだけ欲張りなんだろう。
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