休憩

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「こいつら全員を、外に連れ出さねえとまずくないか」 「考えに入れているよ」 丸めた裾から外に出て、肩に登ったシマリスが言う。言われなくても、分かっている。誰か一人でも欠けたら、参加者が責められる。 メンバーの一人一人が、別々の参加者のサポートしている。呼びにきた人の話を聞いたときやロビーに集まった人達の様子を見たときも思ったのだが。皆、安易にステージ落ちを選んでいる。脱出させる気があるのか、難しいところだ。長く、あちらの世界にいれば、住民になってしまう確率が高いのに。その人の考え次第なので、口出しできない。 代わりに、自分が早く脱出して、全員を連れ出そうと考えている。優待券を使って、交渉するしかないが。うまくいくか、分からなかった。 決まったみたいだ。「シャワーを浴びたい」「ねむい」と言いながら、各自部屋に行く。ハデスからも、シャワーを使っていいか聞かれた。参加者のサポートして、体力面でも精神面でも疲れたようだ。 勧めて気付いた。彼らは、ゲームのサポーターとしての参加を来た当日決めた。泊まる用意はしてないはずだ。着替える服はないか。小さな部屋ほどのクローゼットを見に行く。 女の子が使うと分かって、スタッフは準備した。男物はないと危惧したが。奥の方にまとめられていた。下着もある。持てるだけ持って、リビングに戻った。マネージャーに話し、手伝ってもらう。全部運び出した。 「着ていい着替えです。好きな服を選んでください」 シャワーの順番待ちのメンバーに、服を選んでもらう。思い思いに選んだ後。使っている人達の着ていた服と、こっそり、取り替えるなんて事をしていた。
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