休憩

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明るさに、目をしばたく。見慣れた光景が視界に入る。自分に割り当てられた部屋が。疑問を持つ。日が沈むまで、まだ、時間がある。第四ステージがどんな世界か分からないが。半ば…は言い過ぎか。少なくとも、四分の一くらいは進めたはずだ。なぜ、戻ってきたのか。大半の参加者は、第三ステージをクリアできないでいる。調整されたのだろうか。 「第四…ステージ…か?」 後ろから声が聞こえてきた。ビクッと、背伸びした。パートナーのハデスのものだ。彼自身に割り当てられた部屋に戻ったと思ったのに。 主催者側の手違いで、参加者の人数が奇数だった。先のパートナーは、アビス。異界の者だ。パートナーと一緒に戻るのは、初めて。驚くのは、当たり前だ。 「ホテルに戻ってきたの。ここは、私の部屋」 「随分、豪華だな」 「スイート・ルームだから」 「スイート・ルーム!?俺達は、カプセル・ホテルみたいな部屋なのに」 「最後に参加したから、遅刻した人と同じとみなされたんでしょう」 「なあ、なあ。見て回ってもいいか」 「ああ、うん。いいけど」 部屋に興味が向いていて、ハデスはこちらを見ていなかった。見られて困る物はないので、許可する。
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