休憩

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「なんでぇ。どうしてぇ」 「足が外に出る奴がいる。…撮影スタッフも来てるんだよ。部屋が足りなくて、廊下で寝るしかなくなる。今回は、男性スタッフしかいないんだ。俺らの方がいいだろう」 やっと、理由を聞ける。ただ、変な聞き方になってしまった。ハデスの説明に、断れないと思う。一方で、皆の嫉妬が怖かった。和らげる方法を考えねば。 承知する。ハデスは皆に伝えると部屋を出ていった。 「私のことを守って。帰ってからも」 「う~ん」 頼もうと思った。親友に。しばらく、使い魔のシマリスを貸してほしい。 思い出して、親友と連絡を取る。今回も、コール一回で出てくれた。第四ステージまで進めたと報告するが。彼女はそっけない返事。使い魔を寄越してくれた件を感謝するが。明らかに、彼女は怒っている。 「私、何かしましたか?」 「うちの使い魔に、聞かせてやって。…人に仕えていることをわきまえず、勝手に行くとは」 シマリスにも聞こえるように、親友に指示される。言うとおりにする。恨み事めいたことを言い出す。帰ってきたら、どうなるか。分かっているだろうな、と脅してきた。電話を切った後、シマリスに泣きつかれる。 「しばらく、側にいてもいいか?」 「私を守ってくれるならね」 約束を交わす。証に、人差し指を伸ばす。シマリスは、前足を伸ばして触れてきた。これで、少しは安心だ。 シャワーを浴びる。着古したジャージに着替える。リビングで待っていたものの、ハデスが戻ってこない。見に行ってみる。
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