奪われるもの・奪うもの

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今日は少し靄がかかっている。 そんな中を、編隊を組ながら飛ぶ。 「ファルコン1より各員。何か見えるか?」 「こちらファルコン2。靄がかかってよく見えん。ほかも同じだろう」 その通りだ。 ほかの連中も首をふるようなしぐさをする。 仕方がない…まずはここを出ることを優先するか。 「ファルコン1より各員。まずはこの靄が晴れる所まで移動するぞ!速度を上げろ!」 「了解!」 全員が徐々に速度を上げていく。 少し靄も薄くなってきた。 それにしても腹が減った。 「ファルコン5より各員!右方向に多数の影を確認!」 !? 全員が右方向をみる。 そこには確かに影がみえる。 かなりの数だ!? 「いいじゃんいいじゃん!獲物じゃねーか! ヒャッハーーー!」 「待て!?ファルコン3!?おい!?」 相変わらず堪え性のない奴だ。 腕はいいが、あの性格は何とかならないものか…。 「はぁ…ファルコン1より各員!3に続け!」 そうは言ったもののファルコン3はすでに獲物の頭上から高速で接近し、2体ほど仕留めていた。 「あーあ。今仕留めた2体どうすんの?川に墜ちていってんじゃん。回収どうすんのよ?」 ファルコン4がぼやいてる。 だがまったくもってその通りだ。 いつの間にか靄は晴れ、再び獲物の頭上に移動したファルコン3と合流する。 「ちょっとあんた!川に墜ちたのあんたが回収しなさいよ!」 「わりぃわりぃ。ちょっと興奮しちまってよ」 まぁ気持ちもわからんでもないが。 獲物を見下ろすと攻撃されたにもかかわらず密集して飛んでいる。 ファルコン3の最初の攻撃のせいか獲物は頭の中がパニックになっているようだ。 さらにその下には川はなく地面だけが確認できる。 これは好都合だ。
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