第1章

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 花恵が床から起き上がれなくなっても、忠史の女遊びは続いた。そして、あっけなく花恵が逝ってしまった翌朝、きつい香水の残り香を振りまいて帰ってきた忠史に、澤木は怒鳴ったのだ。 「継母さんを幸せにするんじゃなかったのか。こんなことなら、横取りなんかしなきゃ良かっただろ。アンタみたいなのを、ダメな男って言うんだよ」  澤木が忠史に感情を荒げたのは、この時が初めてだった。
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