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俺・・・凪川冬音事カノンは悩んでいた。 先日断った会社へ・・・少しでも手助け出来ないかと、提案しようと。 数日前に遡るが、その会社の営業部長と知り合った。 仲良く毎日ネットで遊んでいてくれる彼が、最近帰りが遅い。 いやいや、一緒に暮らしてる訳でもないのだが・・・ネットに繋ぐ時間がめっきり減って、来ない日まである。 狩り中(モンスター討伐)に寝落ちまでしてしまう事もある。 だから、会社勤めは嫌だと思っていたが、いつも遊んでくれている彼が来なくなると、何をしていいかわからなくなる。 彼の成長に合わせた狩場を探したり、一緒に狩ったり・・・前まで独りでいた時何をしていたのか思い出せないのだ。 プログラマーが居ない間彼は、不慣れなプログラムを組んで見てるらしく最近は殆どそれに付きっ切りで、俺は見事に放置プレイを実行されている。 でも、その度に彼は謝ってくる。 長くいられなくて悪い・・・なんて。 俺は所謂ネット依存で、ゲームが無ければ生きてさえ行けないしコミュニケーション?何それ、ウマイの? 的な感覚で生きている俺が唯一リアルでも認められる人。 だから、時間の作れない彼の為に色々アイテム集めたりしたら・・・怒られたんだ。 〝あんたの好きなように時間を使え、俺は、そもそもに入る時間が短いのは覚悟の上だし、人に上げてもらったレベルなんて達成感なんぞありゃしないからな〟 って。 どんだけ、男前なんだか。 色々な人と遊んだけど、ICE見たいに組んだパーティーを崩さないでずっと一緒に長い事そのチームにいた事は無かった。 狩りに出ても、大抵はパーティーからすぐに抜けてしまうから。 ICEも、基本ソロでたまに経験値稼ぐ為にパーティーに参加する程度でこんなに長く入り続けた事は無いと言っていた。 きっと、俺達は馬が合うとか言うやつなんだと思う。 だからこそ、ICEのリアルの時間を俺が少しでも埋めて上げられたら、多少は彼のゲーム時間が増えるのでは無いのだろうかと結論付けたのだ。 そんな事を思いながら、朝方に寝て目覚めたのは昼少し前だった。 最近の変化は、携帯のチェック。 簡易メッセが届いていて頬が緩み、寝起きで全文を見て頬を膨らませた。 「ICEのヤツ、絶対からかってる・・・まだ小動物扱いかよ・・・」 〝カノン!クルミ食いたくないか?〟 〝おはよう、まだ冬眠から覚めたばかりだから食いたくないよ| `Д´|ノこらぁ!〟
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