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毎日、1度はやり取りをする。
それがなんだか嬉しくて、心がムズムズしていた。
仕事の事も切り出せずなんだかんだと時が過ぎ、次に会う機会を作ったのは驚く事に俺からだった。
〝俺は、居酒屋を所望する〟
〝ひまわりの種なんて出してるか?〟
〝ふ ざ け る な 俺はハムスターじゃねぇよっ!( ゚Д゚)㌦ァ!!〟
〝明日行けるか?20時位なら、金曜日だし付き合える。
ハムスターの着ぐるみ着てこいよ?〟
〝OK(。-`ω´-)じゃーICEが女装して来たら考えてやる!〟
〝190近いバカデカイ巨人族の男が女装してペットに・・・ハムスターのカノンか、うん、イケルな〟
〝警察に捕まるからヤメロヽ(`Д´)ノ〟
全くもって、意味の分からない事になり大笑いしてしまう。
静まり返った部屋がこの時だけは、暖かな空間になる気がした。
こんなやり取りが、楽しくて仕方ない。
俺を小動物扱いするのもICEだけだ。
金曜日・・・本当は今からでも会いたいんだと言えばきっと困らせるだろうとは思う。
それに、相手の都合も有るのだから友達として重く成らない位置に居られなくなるのは嫌だっから我慢をするようにもなった。
「ICE・・・」
名を呼んで、ニヤける自分の頬をパシリと叩いて金曜日にちゃんと出掛けられるように、仕事を進めることにした。
なのに、気が急いて・・・
ゲームを途中で中断し、久しぶりのクローゼットを開けば、一昔前に流行った洋服が並んでいる。
妻が着て欲しいと、揃えた服は色とりどりの物ばかりで引き立つのは服ではないだろうか?
細身のジーンズと、ピンクのTシャツ、その上から濃いグリーンのシャツを引っ掛けるスタイルに決めて鏡の前に座る。
家では前髪を気にすること無くカチューシャで押し上げているから、それを外し前髪を引き戻せば目が隠れる。
「やっぱ、切るかな・・・」
顎先まで伸びた前髪はただ、ただ、不潔そうなイメージしかなく、少し緩い天然パーマのお陰で、緩やかなカーブを作ってはいるが夏がすぐそこまで来ているのに、会う人間がこんな髪だったら暑苦しく感じないだろうか?
気になり出すと止まらず、久しぶりに妹へ電話を掛けた。
「冬兄ぃ?珍しいね、どうしたの?」
「春か?いつもの・・・頼みたいんだけど・・・」
「1年ぶりか・・・そんなに放置するなら、一層のことバリカン持ってくか!」
電話越しの声に項垂れた
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