あぶない男

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そんな中、ある日親戚の叔父さんから一本の電話が入った。 「若葉、お前に話さなければいけない事がある」 そう重々しく始まった会話の内容は、驚きを隠せないどころか、余りにも信じがたい内容だった。 簡単に説明すると、俺は和の国日本に昔からある、由緒正しい、純血の和鬼の一族の末裔らしい。 代々日本には、東と西を統一する2つの大妖の一族が存在していたらしく、俺はその東を代表する【十朱(とあけ)】という鬼の一族の当主の息子であり、次期当主であると言う。 次期当主と言っても、当主であるはずだった親父も母さんもとっくの昔に死んでるから、今は叔父さんが当主の代役を務めているらしい。 そして17歳になった俺に課せられたのは、次期当主としての自覚を持ち、妖怪学園に通い、知識を高めることだった。 17歳の誕生日を迎えてから、身の回りに不自然なことは起きてないか? と叔父さんに聞かれ、思い当たる節がありすぎた。 叔父さんが言うには、17歳の誕生日を境に鬼の封印が解かれてしまったらしい。 純血の和鬼の力の影響力は計り知れなく、今のままでは普通の高校に通い続けることは困難だと言う。 そんな俺に、叔父さんが提案してきた転校先が【妖怪学園朝霧】と言う、如何にもな学校だった。 何しろここに通う生徒の100%が妖怪であり、確か学年も第1学年から第5学年まであるという、少し変わった高校で、しかも全寮制の学園らしい。 元々一人暮らしをしていた俺からしたら、正直全寮制の学校はポイントが高く、生活も苦しかった為に、つい二つ返事でその転校を了承してしまったのだ。
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