傍ら。

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「友達、できるといいね」 そう言って君を見ると、 不満気な顔をして見せた。 「他の男と喋ったら怒るくせに」 よく言うよ、って舌を出した君。 待って待って。 僕がいつ君に怒ったりした? 他の男と話すくらいで、 そんな事で僕は怒ったり… 「してますぅー、怒ってましたー」 「いつ!僕がいつ怒った?」 「優と、この前の。怒ってたじゃん」 「あ、あれは。怒ってたっていうか…そもそも君が!」 ピッ!と目の前に出された五本の 長くて綺麗な指と手のひら。 朝からウザい!って 吐き捨てた言葉を置き去りに、 君はずかずかと前に進んで行った。 ちょっ!ウザいは酷いでしょ! しかも君からフッてきたんでしょーが! と、ムッとする思いを抑えながら 待ってよと小走りに背中を追いかけた。
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