プロローグ

2/3
2727人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
母が倒れたという連絡がきたのは、学校で体育の授業中だった。 僕はジャージのまま、バックに制服を突っ込んで、教室を飛び出した。 校門には、母の親友の栄村(サカエムラ)のおじさんが迎えに来ていた。 「麗(レイ)、早く乗りなさい。」 硬い表情のまま、黒い立派な車の後部座席のドアを開けて、隣に座って冷静な声で母の状態を話すおじさん。 栄村のおじさんは、亡くなった父の親友で、1人で僕を育てている母を、ずっと気にかけてくれていた。 一時期、おじさんが、本当は僕の父親なんじゃ?と思うくらい。 実際には、そんなことはありえない。
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!