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訝しがりながらも去っていく研究員達を横目に見ながら「ついてきて」と彼らに指示を出す。ナユちゃんは「大丈夫、マミコちゃん。もう歩けるから」と彼女の肩を借りて立ち上がった。
「荻野室長、貴方も怪我をされているのでは? 室長の大ファンの私としては貴方の顔に傷がつくのは本当に悲しいことなのですけれども……」
「男からのラブコールは受け付けてないよ。あと怪我もしてない。今回怪我してるのはあの眼鏡だけだから」
その言葉に、びくりとショウくんが反応したように見えて「どうかした?」と問いかけたが「い、いえ、何も別に」と返されてしまう。そんなに信用ないかなあ。いやまあ、当たり前か。
「ショウ、どうかしたの?」
「本当に何でもないっての……」
そんな少年二人の会話を聞きながら歩いていると、僕の隣を歩いていた芦屋が「あの眼鏡……なるほど、立川 英晴ですか。室長はなぜ彼を同行させたのです? あのへっぴり腰を」と心底不思議そうに問いかけてくる。
僕の答えは至極簡単で、「彼が来ないとうちの最強護衛が来てくれないじゃない」と芦屋を横目で見据えながら笑う。
それを聞いた芦屋は不敵な笑みを見せた後に「なるほど、よくわかりました」と言葉を吐いた。
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