幻厄遊戯×アンダーラヴァーズ

事の発端

　私は少々疲れていたのです。この無限に繰り返される刻の中、同じ人間、変わらない事象。まるで繰り返される遊戯のようなこの世界に。

　あの世界が目に留まったのは偶然でした。いや、それすらも必然だったのかもしれません。

　この世には偶然なんてものは何一つないのですから。繰り返される世界、変わらない人々に私が苛立つのも奴らにとっては必然。

　笑って見ていることでしょう。そうやって笑ってみていればいい。そろそろ世界が再構築される。

【私は彼女たちを助けるためなら何にでもなる。どんなことでもしてみせる】

　あの日誓った言葉を忘れないよう、再構築が完了する前に口にした。そうだ、何にでもなる。神にでも、破壊者にも。どんなことでもしてみせる。例え、狂っていると言われても――それは人間の感性でしかないのだから。

　――願いを聞き届けてくれる者がいるのなら、どうか次は誰も犠牲にならない世界になればいい。

　この四人にそれができるかは――まさに神のみぞ知る、と言ったところか。

　次回の私も全てを忘れる。今回の悲惨なエピローグも、培ってきた全ても。彼の恨み言も、彼女の悲鳴も。全て忘れて、次回の遊戯の舞台へと立つ。