罪の華 表

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半年も家から出ていない彼女の体は、ストレスに侵され細く、隈があり、日に当たらないせいか異常に白い。しかし、キスをするせいか唇の血色は良かった。それがまた色気を出す。サラサラだった髪は、汚くはないが以前のような艶はない。服はいつも部屋着。 こうなったのも全部、私のせいなのだ。 私の一言がなければ、私がもっと強ければこうはならなかった。 いつも話しているわけじゃない。同じクラスだったがバラバラのグループに入り各々の楽しさを見出していた。それでも私達の心は近かった。朝はいつものように私を起こしに来てくれて、一緒に学校へ向かう。学校ではそれぞれバラバラに動くが気づけば隣にいた。放課後になれば自然と彼女と帰っていた。例え委員会や部活があろうと一緒に帰っていた。それが普通だと思っていた。 彼女は、何でも許してくれた。 遅刻しても、喧嘩しても、約束を破っても最後には「しょうがないなあ…もう!」と笑って許してくれた。だから甘えていたのだ。 約半年前、私のグループ内で彼女の話になった。始まりは「美智ってうざくなーい?」だった。話題に出てきた予想外の名前に箸を止め顔を上げれば周りは「わかるー!」と返し、笑っていた。頭の中に甲高い笑い声が響く中、悪口大会は盛り上がる。「真面目ぶってる」やら「田中君、美智のこと好きらしいよ」「えー!松林もだよー!?」やら「男に媚びうるタイプかよ」やら好き好きに発せられる言葉の中に私が気になってる人の名前があった。「違う!美智はそんな子じゃない!」という言葉は、その名前によってどこかに飛んでいく。 …佐久間君が、美智の事が好き。 事実とは限らないその言葉の真偽を確かめるぐらいの余裕は私の頭になかった。 グルグルと回るその言葉と共に「頑張って!」「大丈夫だよ!絶対上手くいくって!」「私は、ずっと応援してるから!」美智の言葉もまわる。すごくイライラした。 頑張ったってダメだったんだ。 「…や……は?」 突然ふられた話に意識を戻せば、「聞いてなかったのかよ」と笑いながらもう一度言ってくれた。 「だから、美智のことどう思ってるかって」 「ああ…正直、ウザイよね。いつも一緒だとさ、めんどくさい」 その場の気持ちで口から出た言葉に後悔したのは家に帰ってからだった。
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