罪の華 表

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それから1週間学校を休んだ。 美智に合わせる顔がなくて、母に部屋に入れず帰ってくれるように言ってと頼んだ。会いたくなかった。 1週間後、とうとう母に怒られ制服に手を通す。久しぶりに着た制服は初めて来たような感覚で、気持ちを落ち着けた。 靴を履き、外に出ようとすればピンポーンとチャイムがなる。ドアを開ければ美智が目を見開き立っていた。 「あ、えっと、おは、よう…」 どもりながら出た言葉に、美智は笑顔で「おはよう」と返してくれた。 学校に近くなれば、「私用事あるから先に行くね」と言い私を置いていく。これが彼女の気遣いだと気づくのには少し時間がかかった。 ポツンと残された私は、1人で門をくぐれば「おっはよー!」「ひっさしぶりじゃん!」「なに?風邪ー?」と友達に心配された。 「風邪ひいちゃって」と笑いながら返せばいつもの調子で話が始まる。 久しぶりに友達とした話はとても楽しくて、充実してて…先程までのことなんてどこかへ消えていた。
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