1人が本棚に入れています
本棚に追加
それから1週間学校を休んだ。
美智に合わせる顔がなくて、母に部屋に入れず帰ってくれるように言ってと頼んだ。会いたくなかった。
1週間後、とうとう母に怒られ制服に手を通す。久しぶりに着た制服は初めて来たような感覚で、気持ちを落ち着けた。
靴を履き、外に出ようとすればピンポーンとチャイムがなる。ドアを開ければ美智が目を見開き立っていた。
「あ、えっと、おは、よう…」
どもりながら出た言葉に、美智は笑顔で「おはよう」と返してくれた。
学校に近くなれば、「私用事あるから先に行くね」と言い私を置いていく。これが彼女の気遣いだと気づくのには少し時間がかかった。
ポツンと残された私は、1人で門をくぐれば「おっはよー!」「ひっさしぶりじゃん!」「なに?風邪ー?」と友達に心配された。
「風邪ひいちゃって」と笑いながら返せばいつもの調子で話が始まる。
久しぶりに友達とした話はとても楽しくて、充実してて…先程までのことなんてどこかへ消えていた。
最初のコメントを投稿しよう!